Firefox4とロボフォームエブリウェア

ついにFF4がリリースされた。ロボフォームはFF4のベータから対応を進め、正式リリースでも問題なく動作しているようだ。クロームが注目を浴びていることは確かだがFirefoxのシェアはクロームの2倍ほどだ。

ブラウザシェア
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IE9(日本は地震で公開延期), FF4, Chrome10, Safari, Operaというこのトップ5のブラウザへの対応がロボフォームのコミットメントになっている。

ロームの登場以来、各ブラウザの進化は激しく、マルチプラットフォーム対応やパスワード管理機能の追加、同期機能の提供などが行われている。これらのブラウザ内蔵のパスワード管理機能を超えた利便性を提供するためにロボフォームが達した結論が、ロボフォームエブリウェアと言うことなのだろう。

各ブラウザが提供するパスワード管理機能がブラウザのブランドで閉じているのに対し、ロボフォームエブリウェアでは、ブラウザの枠を超え(少なくとも前出のトップ5のブラウザの枠)、ブラットフォームの枠を超え、デバイスの枠を超えることを目指している。

そう考えると、例えばIEしか使用しない人にとってはロボフォームエブリウェアのような専用のパスワード管理ソフトは不要かもしれない。(ま、ロボフォームに匹敵する使い勝手がIEで提供されればの話だが。)

ソフトウェアとライセンス

ソフトウェアをライセンスするという概念を一般に定着させたのはビル・ゲイツの功績だと思うが、ソフトウェアとライセンスの関係が従来に比べ複雑化してきていることは確かだ。

ロボフォームの例で言えば、ロボフォームエブリウェアとは実はライセンスの名前でありソフトウェアの名前ではないのである。ソフトウェアとしてはロボフォームセブンということになる。

ライセンスとしては、A.エブリウェア B.デスクトップ  C.2Go の3つが用意されている。実際に使用するソフトウェアはロボフォームセブンという実質的にひとつのソフトウェアなのだ。逆の方向から言うと、ロボフォームセブンというソフトウェアをどのようなモードで使用するかという選択によって、3つのライセンスに振り分けられる。

それぞれのモードとは以下のようになっている。

A.エブリウェア
ロボフォームセブンの内蔵シンクロナイザを動作させてエブリウェアアカウントとの同期を行いながら動作するモード。ライセンス料は年間契約になる。

B.デスクトップ
ロボフォームセブンの内蔵シンクロナイザを停止させて、データはローカルにのみ保存する動作モード。ライセンス料は一回限りの買取。

C.2Go
USBメモリなどのポータブルデバイスにインストールして使用し、なおかつロボフォームセブンの内蔵シンクロナイザを停止させて、データはローカルにのみ保存する動作モード。ライセンス料は一回限りの買取。

インストーラも上記の3つのライセンスに応じて用意されているが、エブリウェアとデスクトップのモード切替はオプションのユーザデータの同期設定でいつでも相互に移行が可能となっている。

エブリウェアライセンスの意義が理解されるには今少し時間がかかるかもしれないが、昨今の急激なクラウド化の流れの中でエブリウェアの評価は近い将来かなり高くなるのではないだろうか。

ロボフォームセブン(RoboForm 7)とエブリウェア

ロボフォームセブン(RoboForm 7)のリリースにおける変化は単にソフトウェアとしての機能拡張だけではない。

一番大きな変化はライセンシングと言えるだろう。今回のセブンのリリースに伴ってエブリウェアライセンスという新しいライセンスが導入されている。従来V6までのロボフォームでは一度だけの支払いで完結していたが、エブリウェアでは年間使用料という形でのライセンスとなっている。従来同様一度だけの支払いの固定ライセンスも選択できるが、その場合内蔵シンクロナイザの機能は使えない。(バージョン7.1.2での確認)

なおエブリウェアでは固定ライセンスと違い、パソコンの台数やUSBメモリの台数などの制限なくソフトウェアを無制限に利用可能である(固定ライセンスではパソコン1台に1ライセンスが必要)。つまりライセンスはオンラインアカウントに結び付けられている。このためオンラインアカウントの利用が必須となっているので、オンラインへデータを預けたくない人は固定ライセンスを選択することになる。一方オンラインの利便性を享受して複数台のパソコン、携帯端末で利用したい人にはエブリウェアが適している。おそらく一人多端末のトレンドに沿った形での決定なのだろうが、それほど多端末を所有しないユーザで、なおかつオンラインの利便性(データバックアップ)を享受したいと考えている人にとっては、帯に短し。。。な感じもある。

またエブリウェアではサブスクリプションという支払い形態であるが、ソフトウェアを製品と理解している人にとっては抵抗があるかもしれない。一度きりの後腐れのない支払い方法を望む人も多いだろう。実際エブリウェアではオンラインアカウントが必須となっており、製品ではなくサービスとしてのソフトウェアになりつつあるのだ。

LastPassカスペルスキーなど競合する製品・サービスとの競争の中で、ロボフォームセブンの動きもまだまだ流動的だ。しかしながらセブンのリリースにより製品からサービスへとロボフォームが大きな飛躍を遂げつつあるという意味で大変興味深い。

RoboForm version 7 リリース

ちょうど1年前にロボフォームのバージョン7ベータの発表があったが、ついにというか、とうとうというか、正式リリースになったようだ。

1年前のベータの際にはまだ明確ではなかったがクラウド対応が一番の目玉になるだろう。バージョン6でもグッドシンクというソフトウェアとの連携により実現されていたが、バージョン7ではこの機能が完全に統合され外部プログラムを意識しなくて済むようになっている。

ライセンスについてもメジャーバージョンリリースに伴い従来のライセンスからのアップグレードが必要になっているようだ。今回からインストールするパソコン台数に依存しないエブリウェアライセンスも利用可能となっている。(こちらはパソコン台数ではなくロボフォームオンラインアカウントにより既定されるライセンスだということだ。)

興味深い機能としてはブロックログインというのがあるらしい。まとめて複数のログインを実行してくれるとのこと。またグラッフィックも改善されている他、一般のWin32のアプリでの認証にも対応している。

また詳細がわかり次第リポートする予定。以下関連ページ。

ロボフォーム 新バージョン7の概要:
http://www.roboform.com/how-it-works/whats-new

クラウド対応で競合するLastPassによるXmarksの買収:
http://www.forest.impress.co.jp/docs/news/20101206_412203.html

ロボフォームV7

ロボフォームのバージョン7ベータが公開されオフィシャルサイトからダウンロード可能となっている。

Win32アプリへの対応やスクリプティングの機能が注目されるが、他の比較的地味な機能がどの程度使い勝手の向上に寄与するかは実際に使いこんでみないと分からない。

http://www.roboform.com/beta.html

新機能:
通常のwin32アプリ上での保存と記入
非モーダルの自動保存ツールバー
自動保存での詳細表示
パスカード(ログイン帳)にアイコンが割り当て
UNICODEの完全サポート、ファイル名は非ラテンでもOK
エディタはHTMLの使用をやめ安定性と高速性を確保
キーボードとマウスクリックのスクリプティング(自動保存が使えない際の対応)
指紋リーダによるマスターパスワード入力代替

RoboForm Version 7

とうとうロボフォームのバージョン7が姿をあらわすようだ。ベータ版の公開が12月14日付けで行れるらいしいが、現在オフィシャルサイトのトップページからはそのページは見当たらない。

バージョン7では従来から噂されていたとおり、ウェブページに限らず一般アプリケーションでのフォーム記入が実現しているとのこと。これはロボフォームの便利さに慣れてしまったユーザからの強い要望に応えたという面が強いのかもしれない。実際ロボフォームに慣れてしまうと、パスワードの記入や管理は自分ではやりたくなくなるものだ。

あとひとつ気になる新機能としてオプションタブにWarningというタブが新設されていることがある。フィッシング対策用の新機能なのかもしれないが、現時点ではまったく不明。

グッドシンクのMAC版のベータ、iPhoneロボフォームロボフォームオンラインとここのところ新しい動きが目立っており、なかなか目が離せない。

Roboform for iPhone

iPhone用のロボフォームについては2009年9月にアップル社のAPP Storeへの申請を終えているということで、そろそろ公開になるかなと、思っていたところ、先日正式リリースとなったようだ。以下のiTuneストアにて無料でダウンロード可能だ。

‎RoboForm Password Manager on the App Store

私はiPhoneは持っていないのでiPod Touchで早々にダウンロードして使ってみた。現状のiPhoneロボフォームは通常のWindows用のロボフォームとは以下の点で異なる。(2009年10月現在)

1. ロボフォームがウェブページのラウンチャとして位置づけられている。
2. ログイン帳、プロフィール、メモなどの使用、閲覧のみで作成や編集はできない。
3. Roboform Online のアカウントが必要。(アカウントは誰でも無料で取得可能)
4. 無料版のみで、有料版はない。

各項目について少し個別にコメントしてみたい。

1. ロボフォームがウェブページのラウンチャとして位置づけられている。

Windows用のロボフォームではウェブページのラウンチャとしての使い方とツールバーからのフォームフィラーとしての使い方が可能であるが、iPhoneロボフォームではウェブページラウンチャとしての使い方となる。具体的にはiPhoneからロボフォームを起動して、そこからログイン帳を選択してウェブページを開くという流れだ。ブラウザを開いておいてツールバーからフォーム記入を行うという風にはなっていない。つまりiPhoneロボフォームはログインが必要なページへのラウンチャと言える。

2. ログイン帳、プロフィール、メモなどの使用、閲覧のみで作成や編集はできない。

これらの作成や編集はWindowsロボフォームによって行われることが前提となっている。つまりiPhoneロボフォームWindowsロボフォームで作成したデータをiPhoneで利用するためのものである。その意味では従来のPalmロボフォームPPCロボフォームと同じ系統になる。

3. Roboform Online のアカウントが必要。(アカウントは誰でも無料で取得可能)

前述の通りデータはWindowsロボフォームで作成されたものを使うことになるが、このデータの取得の仕組みにRoboform Onlineが登場する。オンライン上にロボフォームのデータを保管しておけば、iPhoneロボフォームでそこからデータを取得して利用できるという仕組みだ。

4. 無料版のみで、有料版はない。

iPhoneロボフォームは現在無料版のみで有料版はない。開発元ではWindowsロボフォームの価値を高めるためのものと位置づけている可能性が高いと思われる。


ここのところロボフォームに関しては新しい動きが次々に顕在化している。iPhoneロボフォームGoogleローム対応のアルファ版公開、Opera等非対応ブラウザでも利用可能なブックマークレットMac対応の計画をアナウンス等々。ロボフォームの最初のリリースが1999年ということを考えると、当時からのPC環境、インターネット環境の変化は著しくい。11年目のロボフォームはこれらの環境の変化に対応して、今一段の進化を成し遂げようとしているのかもしれない。